沖縄をどうしようというのか

佐野眞一氏の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」という分厚い本を、昨年からチビチビと読み進めております。沖縄のアンダーグラウンドな部分にも切り込んだ読み応えのあるルポですが、この中に「軍用地」の話が出てきます。
沖縄の米軍基地として使用している土地は、そのほとんどを国が個人の土地を借用して米軍に貸しているそうなのですが、この賃料が実はオイシイのだそうです。しかも管理は国にお任せで、担保価値が高くて確実な収入が毎年見込めるし、換金性も非常に高く、おまけに固定資産や相続税も有利となると、本土からも「軍用地」が欲しいと買いにくる人が多いというのも頷けます。
沖縄の米軍基地を、「軍用地」としての資産という視点から考えたことが無かったので、この本の「軍用地」に関する話には目ウロコでした。そういう事実を知った後で名護市の市長選の報道に接すると、色々と考えさせられます。基地の問題は、キレイ事だけで解決する話ではとても無いという事は想像に難くありません。
で、普天間基地の移設先として候補になっている辺野古ですが、民主党小沢幹事長がこの辺野古に1500坪もの土地を購入しているという話があります。大手マスコミは全く報道していませんが、ネットで検索すればいくらでもこの話は拾えます。登記簿の画像なんかもありますね。基地移設先の予定地からは離れているので、軍用地としての資産運用を狙ったものでは無さそうですが、基地移設を見込んで不動産で儲けようとしているのは明白かと。
もしこの話が事実であれば、法的には問題が無かったとしても、政治家としては最低の恥ずべき行為だと思います。政治家というのは、無私になって国のために働く崇高な職であるべきなのに、この男は私利私欲だけのために沖縄を利用しようとしている事になりますから。
平野官房長官が、名護市に対して手のひらを返すような発言をして物議を醸しておりますが、幹事長が辺野古の土地に絡んでいるとなると、この小男の手のひら返しの対応も理解できるような気がします。ブレまくっている民主党ですが、いったい沖縄をどうしようとしているのでしょうか。
己の欲を捨て、日本国民のためを思った政策を切に望みます。