譲ってもらって当然なんですが

今日の朝、会社に向かう地下鉄の中で微妙な気分にさせられる光景を見ました。通勤時間なので当然ながら車内は混雑していて、私は優先座席のあるドアの近くで本を読みながら立っておりました。すると、途中の駅で足腰が不自由そうな中年男性が杖をつきながら乗ってきました。
立っているのも辛いという感じでヨタヨタされていたのですが、優先座席の人たちはみんな睡眠中だったり読書中だったりで、誰もこの男性に席を譲りません。そうこうするうちに電車が動きだし、よろけてしまったこの男性を見知らぬオバちゃんが思わず支えたところで、寝ていた若い女性の一人が気づいて、すぐに席を譲ってあげていました。座る動作も大変そうで、さっきのオバちゃんが手助けをしてあげてようやく座ることができ、見ていた私もひと安心、だったのですが・・・
席を譲られたこの中年男性、席を譲ってくれた若い女性にも、手助けしてくれたオバちゃんにも、一言のお礼も無いんですよ。会釈すらせず、不機嫌そうな顔で座ったままなんです。「いやいや、そこはお礼を言わなアカンでしょオッチャン」って思わずツッコミを入れそうになりましたよ。
誰が見ても足腰が不自由なのがわかる状態の方なので、席を譲られて当然と言えば当然なのですが、だからと言って、譲ってくれたり、手を差し伸べてくれた人に何も感謝の意を現さないってのはどうなんでしょう。すぐに席を譲ってもらえなくてムカついていたのかも知れませんが、「ありがとう」とひとこと言ってくれれば、回りで見ていた我々も暖かい気分になれるのに。
自分がどんな状況であれ、人様に何かしてもらったらお礼を言うのはごく当たり前の事だと思うのですが、電車に乗るだけでも大変なこの男性には、そんな余裕も無かったのかも知れません。でもなんか釈然としない光景でしたねぇ・・・。